2017.07.18高知新聞の記事から。
記事のタイトルだけ見ると高校が入試で対応してくれなかったのかと思ったんですが、中学側が勝手に依頼を出さなかったとのことです。
２０１７年春の高知県内の公立高校入試で、高知市内の男子生徒が発達障害を理由に別室受験を希望し、受験高校への手続きをしてほしいと在籍中学校に求めたが、中学校の判断で手続きがされない事案があった。別室受験については、障害などで必要な場合に受験校に「特別措置願」として希望を出せる制度がある。生徒の両親は制度への理解を求めている。
中学校は障害のある子への支援を甘やかしや特別扱いと思っているのではないか
どうして、勝手にそんなことをするのかと思ったら、どうも「中学校は障害のある子への支援を甘やかしや特別扱いと思っているのではないか」というお母さんの言葉に集約されているみたいです。
両親によると、生徒は自閉症スペクトラムと注意欠陥多動性障害（ＡＤＨＤ）、学習障害（ＬＤ）の診断を受けており、言葉で伝えることが苦手なほか、音や人の動きに敏感で物事に集中しづらいという。中学校では複数の科目で個別授業を受け、定期試験は別室で受けていた。
高知県内の公立高入試では、障害などで特別な配慮を必要とする場合、中学校長名で「特別措置願」を受験校に提出し認められれば、別室受験などができる。生徒の母親が２０１６年１２月、中学校の担任教諭に措置願の提出を依頼。担任は引き受けたという。
しかし措置願は提出されておらず、生徒は試験当日に会場でそのことを知り、他の受験生と同じ教室で試験を受けた。母親が高校に成績を開示請求して、措置願が出されていないことが分かった。
高知新聞の取材に対し生徒が在籍していた中学校の校長は、毎月校内で生徒への支援の在り方を検討してきたことを説明した上で「３年生の２学期から、他の生徒と一緒に受けられる授業が増えた。入試での配慮は必要ないと判断した」と話した。高校に申請していないことを保護者に伝えていなかったことについては謝罪したという。
生徒はこの高校を不合格になり、現在は別の高校に通っている。母親は「中学校は障害のある子への支援を甘やかしや特別扱いと思っているのではないか」と学校の対応に不信感を募らせ、「障害のある子どもにとって（受験などで）ベストを尽くせる環境は大事。支援の在り方を見直してほしい」と訴えている。
ただ、それとは別に措置願いを出すことで合否に影響あるのではと言う見過ごせない状況があると書いてあります。
合否影響懸念する学校も
障害のある生徒らが公立高校入試で別室受験などができる高知県教育委員会の特別措置制度は、生徒支援として保護者らの期待が高い。一方で発達障害の生徒に関しては、中学校側が「障害が合否に影響するのではないか」と懸念するなど、措置願を申請することにためらいもあるようだ。
高知県教育委員会高等学校課によると、特別措置願の申請は毎年２０～３０件。元々は聴覚、視覚障害やけがをした生徒からの申請が主だったが、近年は発達障害を理由とする申請も目立つようになっているという。２０１７年３月に行われた入試では、発達障害の生徒を含む１３人に別室受験が許可されている。
発達障害による別室受験が認められるかどうかの明確な基準はなく、「公平性を確保するため、中学校での支援実績が判断材料になる」と高知県教育委員会高等学校課の高岸憲二課長。配慮を必要とする場合は「受験高校や高知県教育委員会に相談してほしい」とする。
ただ、中学校側には「申請することで生徒に不利益が生じるのでは」との懸念があるという。高知市内のある中学校長は、「例えば合格ライン上に複数の生徒が並んだ場合、発達障害のある生徒を不合格にすることが絶対に起こらないという保証はない。問い合わせも含め、生徒の情報を高校に伝えることがマイナスに働くのではないか」と心配する。
「申請しても（許可は）厳しいと聞いている」と話す別の中学校長もいるなど、制度が十分に理解されている状況とは言えない。高知市教育委員会学校教育課の岡本伸浩・人事班長は「明確な基準がなく、受験高校や高知県教育委員会がどういう対応を取るのか分からないことも、申請に慎重になる理由の一つではないか」と話す。
今回、中学校長の判断で措置願が申請されなかった男子生徒の父親は「中学校にはこの制度自体をよく知らない教員もいる。これから受験する生徒のためにも徹底してほしい」と求めている。
この問題を受け高知市教育委員会は「校長会で事例を取り上げ、再発防止に努める」。高知県教育委員会は「障害だけを理由に不合格にすることはない。特別措置が正しく理解されるようさらに周知する」とした。
どうして、足が悪い人が車いすを使うのに文句は言わないのに、発達障害者が集中しにくい特性があるからと理由で配慮を願えばこんなことになるんでしょうか。
偏見がひどすぎると思います。
発達障害は甘えてるわけではないんです。困っているんです毎日、毎時間、毎分、毎秒。
少しくらい配慮したって良いんじゃないでしょうか。