アメリカの企業Akili Interactiveが開発したビデオゲームアプリ「EndeavorOTC」が、ADHD(注意欠陥・多動性障害)の成人向けに注目されています。このアプリは、以前に小児向けに開発された「EndeavorRx」の技術を応用したもので、18歳以上の成人に対するADHD症状の軽減を目的としています。
「EndeavorOTC」は、レースゲームのような形式で構成されており、プレイヤーは乗り物に乗った主人公を操作して障害物を避け、同時に特定のターゲットを捕獲する必要があります。このプロセスを通じて、注意力と集中力を高めることが目的です。ゲームの難易度はプレイヤーのスキルに応じて調整され、脳のトレーニングを主な目的としています。
臨床データによると、このゲームを使用したADHD成人の83%で集中力が改善されたことが示されています。具体的な変化には、時間管理の向上、複数のタスクの同時管理、重要な物品の管理の容易さ、他者との関係の改善などが含まれています。
「EndeavorOTC」はサブスクリプションベースで提供されており、月間契約は24.99ドル、年間契約は129.00ドルです。ただし、現時点では日本では提供されていないとのことです。
Akili Interactiveは、従来の薬物療法やカウンセリング、認知行動療法に代わるものではないが、これらの治療法と並行して使用される場合、新しい治療選択肢となり得るとしています。EndeavorOTCは現在、FDAの認可を目指している段階です。
このようなアプローチは、ADHDの治療において新たな可能性を示しており、従来の方法に加え、患者にとって有効な補助手段となる可能性があります。