「5歳半でオムツをはいたまま」自閉症の子を育てる上で一番重要なこと(エキサイトオンラインの記事)

エキサイトオンラインの記事から。

■5歳半でオムツをはいたまま
5歳半のミキちゃんが私のクリニックを受診しました。大柄なお父さんが椅子に座り、ミキちゃんはお父さんに抱っこされています。かたわらにお母さんが背筋を伸ばしてスッと立っています。
私は問診票に目を落としました。3カ月前からミキちゃんは便秘だそうです。立ったままオムツに便を出すと言います。5歳半でオムツ、そしておとなしくお父さんに抱っこされている姿。私はミキちゃんに「こんにちは!」と声をかけてみましたが、返事はありませんでした。私に対して関心がないというような表情です。
お母さんが説明してくれました。
「ミキは自閉症なんです。こだわりが強くて、うんちをしないと決めるとなかなかしないんです」「ああ、そういうことですね。これまではどこのクリニックで診てもらっていたんですか?」
お母さんの答えは、千葉市から遠く離れたX市のクリニックでした。
「え、そんな遠くから来たんですか? 大変だったでしょう? これまではどういう便秘対策をしてきたんですか?」

■2週間後、再びやってきたミキちゃん
私はお母さんから話を聞いて、少し便秘の治療を整理してみることにしました。
「飲み薬は酸化マグネシウムの1種類に絞りましょう。夕食の後に飲んでください。寝ている間に便が緩くなります。翌朝、朝食を食べると大腸が反射で動きますので、その反射を利用して柔らかい便を出すのです。ただ、ミキちゃんは、こだわりがあるから我慢してしまうかも。そのときは、座薬を入れてください。そして最低でも二日に1回は便を出してください。便を出させないと、便が出る子になりません。まず、2週間やってみましょう」
それから2週間後、ミキちゃんは両親と共にクリニックにやってきました。前回と同じように、お父さんに抱っこされています。
「どうですか? 酸化マグネシウムを飲んでみて?」
お母さんが答えます。
「やはり座薬を使わないと出ないんです。二日に1回座薬を入れています。でも座薬を入れれば必ずうんちは出ます」

「それはいいですね、とにかく出すことが大事です」

「はい、食べる量も少し増えました。便が出ているおかげだと思います」
■「座薬で出すこと」にこだわっている
「ところで、地元で療育は受けていますね? 今、年長さんですから小学校のことも考えていますね?」

「はい。療育は通っています。月に1回、個別と集団でやってもらっています。主に言葉と運動の療育です。進路については特別支援級か、支援学校か迷っています」

「どちらがいいとは一概に言えません。支援学校には支援学校のよさがあります。何と言ってもお子さんをよく見てくれます。そういう部分が手厚いんです。ミキちゃんにふさわしい学校を選んでください」

私は、今度は4週間分の薬を出しました。
その次にミキちゃんが受診したときも、三人は同じ配置でした。ミキちゃんはしっかりとお父さんに抱っこされています。
「その後の経過はいかがですか?」
今日もお母さんが答えます。
「同じなんです。二日に1回座薬を入れて出しています。と言うか、座薬で出すことにこだわっているようなんです。毎日夕方、5時になると座薬を入れてって言うんです」

「う~ん、そうですか。ミキちゃんのこだわりですね。だけど、出ないよりぜんぜんいいですよ。健常児のお友だちでも、頑固な便秘があって二日に1回座薬で出している子はたくさんいます。こだわりをむりに変える必要はありませんから、出すことができればよしとしてください」

「分かりました。続けてみます」
■1歳10カ月のとき、急にミルクを飲まなくなった
私はがらりと話を変えました。
「ところでミキちゃんはどういう経緯で自閉症の診断がついたんですか? 1歳6カ月児健診や3歳児健診で分かったんですか?」

「ミキは1歳半のとき、まだ歩かなかったんです。ハイハイができて、ようやくつかまり立ちという感じです」

「言葉は何個くらい?」

「出ませんでした。指さしもできませんでした」

「じゃあ、それで専門施設に紹介になって?」

「いえ、そのときは、かかりつけの先生に様子を見ようと言われたんです」

「そうなんですね。ではどうやって診断が……?」

「長い話なんですけど……。1歳10カ月のとき、急にミルクを飲まなくなってしまったんです。それまでは離乳食のほかにミルクを200ml飲んでいたんですが、急に70mlに減ってしまったんです。おかしいと思っていたら、もう、ゼロになってしまいました」

「急にガクンと減ったんですね?」

「そうなんです。体重も減りました。痩せてしまって成長曲線の正常値からも外れてしまいました。おまけに離乳食も自分から食べようとしないんです。両手をダラリと下げてしまって動かさないんです」

「それはあまり聞いたことのない症状ですね」

「ですから私が食べさせていました。この頃から退行が始まって、つかまり立ちもできなくなりました。2歳2カ月の頃です。かかりつけの先生は、これは大きな病気かもしれないと言って、X総合病院の小児科に入院の手はずを整えてくれました」
■毎回30分かけて、流動食をスポイトで口に入れていた
「X病院の先生はどういう診断でした?」

「いろいろな可能性があるって仰っていました。脳の異常かもしれないし、染色体の異常かもしれないし、腕を動かさないので筋肉の病気かもしれないと。だから血液検査はもちろん、脳のMRIも撮って、染色体の検査もやりました。レット症候群かもしれないとも言われました」

「レット症候群……腕に力が入らないからですね。つかまり立ちができなくなったことも考慮したのでしょう」

「でも、結局、いろいろな検査をしても何も異常が見つからなかったんです。入院中、ミキはぜんぜん食べなくなって、私はスポイトを使ってテルミールという濃厚流動食を口に入れていました」

「その間、ミキちゃんは腕をダラリと?」

「そうなんです。毎回30分かけて飲ませていました」

「では、ぜんぜん事態が改善しませんね? それでどうしたんですか?」

続きはサイトからお読み下さい。

エキサイトニュース
「5歳半でオムツをはいたまま」自閉症の子を育てる上で一番重要なこと

https://www.excite.co.jp/news/article/President_39425/?p=6

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