発達障害に見られる「感覚過敏」の原因となる脳の部位が判明(gigazineの記事)

gigazineの記事です。

発達障害にみられる感覚過敏の原因の脳の部位が分かったということです。
脳梁といわれる右脳、左脳を繋がっているところみたいです。これで何らかの治療法が進めば良いですね。

神経発達障害の一種である自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)の中には、視覚や聴覚といった感覚が敏感なため生活に不便を来す「感覚過敏」という症状を持つ人がいます。ASDやADHDの人を含む合計218人の脳をスキャンした最近の研究により、発達障害に見られる「感覚過敏」の原因となる脳の部位が特定されました。

White matter alterations in autism spectrum disorder and attention-deficit/hyperactivity disorder in relation to sensory profile | Molecular Autism | Full Text
https://molecularautism.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13229-020-00379-6

発達障害の感覚過敏の原因は? 自閉スペクトラム症と注意欠如多動症で共通していた脳内結合の問題 – 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/article/post-44615.html

ASDとADHDは、それぞれ全く異なる症状を持つことから、別々の診断カテゴリーに分類されています。一方で、2つの障害を合わせ持つ人も多く、また感覚過敏を持っていることが多いという共通点も存在しています。感覚過敏はASDやADHDの当事者に大きな苦痛をもたらすほか、近年では「発達初期からある感覚の問題により、ASDの対人コミュニケーション障害が構築される可能性」が指摘されていることから、発達障害の原因としても注目が集まっています。

昭和大学発達障害医療研究所の太田晴久准教授らの研究グループは、成人のASD105人、ADHD55人、発達障害ではない定型発達(TD)58人を対象に、脳を核磁気共鳴画像法(MRI)でスキャンする研究を実施。MRIの解析法の中でも、特に脳の神経線維の状態を可視化するのに適した拡散テンソル画像法(DTI)を用いて、対象者らの脳白質の神経線維を調べました。

この実験により、両障害とTDの脳には違いが認められる一方で、ASDとADHDでは障害がある脳白質の部位が共通しており、また分散異方性(FA)という分析値も似通っていることが確かめられました。

研究グループによると、脳白質には脳の部位間を繋ぐ役割があるため、発達障害の特性をもたらす要因として注目されているとのこと。今回の研究により、特に右脳と左脳の皮質をつなぐ神経線維の束である脳梁(のうりょう)という脳白質の部位における障害が、ASDとADHDの間で共通していることが確かめられました。さらに、脳梁の障害の程度と、被験者へのアンケートにより測定した感覚過敏の重症度の関係も、ASDとADHDで類似していることが判明しています。

この結果について、研究グループは「ASDとADHDは脳白質神経線維に関して共通した、脳梁における問題を抱えており、感覚異常の原因も類似している可能性を表しています。感覚異常をはじめとする発達障害特性の原因について、少なくとも脳内の結合の観点からは、診断カテゴリーにとらわれずに究明していくことが必要と考えられます」と述べました。

元記事:
https://gigazine.net/news/20201028-asd-adhd-white-matter-sensory-symptom/

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